福岡県福岡市早良区高取1-1-53 西新ビル1F 【早良郵便局となり】
福岡市早良区西新の中富研介歯科医院のブログです。
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■01月01日
今年は巳年。「巳」の文字は胎児をあらわし、暦のうえでは草木の成長が終わり、新たな種子ができる時期という意味があるそうです。中富研介歯科医院は、おかげさまで今年5月に開業10周年を迎えます。来院される方々のさまざまな要望にお応えできるよう、常に進化しつづける歯科医院でありたいと考え、この10年間研鑽を重ねてきました。これまで当院を支え、開業時にまいた種を成長させて下さった多くの皆様に感謝するとともに、今年は新たな10年のスタートとなる種をまく年として、スタッフ一同心も新たに診療に取り組む所存です。今年もよろしくお願い申し上げます。 2013年 元旦
■12月10日
12月は師走のあわただしさ、といいますが、歯科医院も新年を前に気忙しくなります。大がかりな治療が何とか今年中に終わりそうなケースでは、新しい歯で新年を迎えていただくために、技工士さんにも協力をお願いして、タイトなスケジュールで完成までの治療の予定を組んだりもします。やっと終わった!きれいになった!と、笑顔で迎えられるお正月のことを思うと、こちらもうれしくなります。逆に、年末ぎりぎりに歯ぐきが腫れたり、虫歯のところが痛み出したりして駆け込んでこられる患者さんもおられます。忙しくても、病気は待ってくれません。むしろ、多忙のため疲れがたまったり寝不足が続いたりすると免疫力が低下し、悪いところが急性炎症をおこします。体調の悪い時に歯が浮いたようになった、というご経験がある方は少なくないのではないでしょうか?「お正月に痛むと困るので、何とかしてください!」という切実な訴えはよくわかりますが、状態によってはなかなか簡単に痛みがとれない場合もあります。「明日から旅行に行くんですが・・・。」となると、もう、お祈りするしかありません。虫歯や歯周病といった口の中の病気は、残念ながら放っておいて自然治癒することはありません。痛みが引いた、腫れが引いた、というのは、症状が一時的に治まっただけで、原因となるばい菌はそのあとも歯に穴をあけたり、顎の骨を溶かしたり、と静かに仕事を続けていきます。2回目、3回目の症状の再発のときには、病気はさらに進行しており、治療はより大がかりになっていきます。結局は、気になる症状が出た時には早めに歯科医院を受診して必要な治療を受ける、というのがいちばんいい選択だと思います。「歯医者は苦手だ、敷居が高い」という方こそ、いよいよ悪くなる前に受診しておいたほうが、最小限の処置で済むのでご本人にとっても楽なのです。さらには、痛んだり腫れたりといった症状が全くなくても、数か月に一度のペースで歯科医院を受診し、定期検診を受けるのがおすすめです。初期の虫歯や歯周病は症状がないことも多く、ご本人が気づかないうちに進行していきます。定期検診ではこうしたところを早めに発見し対処することはもちろん、日頃の歯磨きで歯垢がきちんと取れているかどうかのチェックや歯垢・歯石・着色のクリーニングなどを行い、お口の中の健康を維持していきます。定期検診を受けている人は、そうでない人とを比較して、年齢とともに失われていく歯の本数が少ないことがわかっています。あなたの大切な歯を守るために、数か月に一回、ぜひとも時間を作ってください。年末の大掃除、家の中だけでなく口の中も大掃除して、気持ちよく新年を迎えましょう!
■11月20日
飛行機を降り、札幌行きのJRに乗るため、駅へと向かいました。首の皮一枚でつながったソールになるべく力を加えないよう、左足は浮かせずに引きずるように歩きます。列車の座席に座り、さてどうしたものか、と考えました。新千歳に着いた時点で午後9時を過ぎており、靴の修理の店や靴屋さんは開いているはずもありません。翌日は朝からまたJRに乗って移動して、午前9時から講義がはじまります。研修会は夕方まで続き、その後は懇親会の予定です。靴屋に寄る時間は取れそうにありません。コンビニに靴を売っているところはないし、もしかしてあの有名な繁華街「すすきの」なら、夜中まで怪しいブランド品を売る店なんかがあいているかもしれない、でも靴なんか売っているのか?などと思いをめぐらせていて、ふと気が付きました。「ドンキホーテ」ならひと晩中開いているはず・・・・!はやる気持ちを抑えながら、スマートフォンで「札幌」「ドンキホーテ」のキーワードで検索してみると、果たして、ありました!しかもこのあと札幌の先生と食事をご一緒する予定の店の近くではないですか!勝利を確信した私は、軽い足取りで札幌駅のホームに降り立ちました。まさに降り立ったその一歩で、ついに「べろん。」とソールがはがれおちました。はがれてみると、何のことはない、ペッタンペッタン、ずりずりとやっていた先ほどよりもなんと歩きやすいことでしょう。ホテルにチェックインして荷物を置き、すぐさま予約していただいていたお店に向かいました。以前札幌に行った友人が絶賛していたお店で、私の強いリクエストに応じて札幌のF先生が予約してくださったのです。海の幸の料理はどれも素晴らしく、お酒が進みます。ほっけの開きは見たこともないほどの大きさで、脂がのったホクホクの身が最高!でした。締めはこの店の名物「いくら丼」です。威勢のいいスタッフのかけ声とともに、丼のご飯の上にこれでもか、とばかりにいくらが盛られていきます。いくらの濃厚な甘みがアツアツのご飯と一緒に口の中に広がります。塩味が強くないので、バクバクと食べられます!実はF先生には、先月も札幌でこれまでの私のジンギスカン料理のイメージを覆すような素晴らしいお食事に誘っていただきました。ありがとう!このご恩は博多で必ず・・・・。大満足の食事のあと、ドンキホーテに向かいました。かなり大きな店舗で、紳士革靴のコーナーにはずらりと革靴が並んでいました。出かける前から疑問に思っていたのですが、北海道のサラリーマンは、雪の積もるシーズンにはどんな革靴を履いているのでしょうか?普通の革靴は雪道ではすべって使い物にならなさそうですし、登山靴のようなごつごつしたものはカジュアルすぎてスーツにはふさわしくないでしょう。そのことをF先生にお尋ねしたところ、雪対策として靴底に滑り止めのシートを貼り付けるのだそうです。店内で探してみると、靴売り場の一角にありました。選んだ革靴と滑り止めシートを購入し、ホテルに帰って作業開始です。付属の紙やすりで靴底を研磨したあと、つま先側とかかと部にわかれたシートをぺたっと貼り付けてできあがり。これで北海道の靴問題は無事解決しました。翌朝は早起きして岩見沢に移動です。土日の研修会はとても充実したものでした。インプラント手術の見学では、実際の器具の準備やアシスタントワークなど、細かいところが大変参考になりました。そして夜には懇親会が開かれ、遠方の先生方とお近づきになることができました。予報通り、日曜日は昼から雪が降ってきました。空港に向かう列車の窓からは、一面の雪景色を楽しみ、束の間の旅行気分を味わうことができました。が、新千歳空港の滑走路が一部使用できなくなったため出発が大幅に遅れ、羽田の乗り換え便も一便遅れ、ずいぶん遅くの帰宅となりました・・・。
11月16日から18日まで、インプラントの研修会参加のため、北海道へ行ってきました。16日金曜は午後4時までの診療とさせていただき、5時30分の飛行機に乗ります。新千歳空港へはもちろん福岡発の直行便がありますが、やはり福岡から北海道へ行く人の多くは観光目的でしょうから、夕方の便などありません。羽田を経由しての乗り換え便となります。予報では18日に雪が降るとのことで、北海道の先生からは「暖かい服装で」とアドバイスがありました。スーツの下にはヒートテック、上にはダウンジャケットを羽織ることにしましたが、靴ばかりは滑りにくいスニーカーで行くわけにもいかず、雪でぐっちょり汚れてもいいようにと、履き古した革靴で行くことにしました。診療が少しずれ込み、予約してあった空港近くの駐車場へと急ぎましたが、夕方の時間帯は予想以上に道路が混んでいて、結構ぎりぎりの時間に到着しました。手荷物検査場へと急いでいると、なんだか足元に違和感を覚えます。見ると、左足のかかとからソールが少しめくれあがっているではありませんか!そういえば、この靴は以前一度同じようなことが起きて、一度靴の修理屋さんで補修してもらったことを思い出しました。「またはがれてくるとは思います。」とは予告されていましたが、まさかこのタイミングで・・・。旅先で銀歯がとれるのはまさにこういう感じなのだろうな、などと思います。「また外れるとは思います。」昨日もそう言ったような気がします。北海道をこの靴で過ごすのはあまりにも厳しいと思われ、とりあえず応急的にボンドで貼り付けてみようかと、空港内にコンビニがないか探しますが、まあ空港でボンドを買う人などまずいないでしょうから、航空会社の職員の方に尋ねても、「1Fの奥のほうにコンビニがありますが、そういったものが売っているかどうかは・・・」との答え。すでに搭乗の時刻が迫っており、そこまで往復する時間もありません。乗り継ぎの羽田で購入できることを祈りながら、飛行機に乗り込みました。悪いことは続くもので、搭乗してからなかなか離陸せず、出発が大幅に遅れました。数十分遅れで羽田に到着すると、係員が「新千歳行き○○便乗り継ぎの方〜!」と声を上げています。名乗り出ると名簿で確認され、あなたたち待ちだから急いで行ってください!とのご指示。よりによって広い羽田空港の端っこの搭乗口まで走ることになってしまいました。次第にソールは「少しめくれあがっている」という生易しいレベルではなくなり、走るたびにペッタンペッタンと音を立てます。やっとの思いで新千歳行きの便の座席に着いた時には、もはやつま先側の1/4ぐらいでやっと張り付いている状況で、ソールのかかと部は左右にも動きます。折り畳みナイフの開きかけ、みたいな感じといえば、わかっていただけますでしょうか。往生際の悪い私は、何とかこのソールが靴の本体にくっついてくれないだろうかと思い、狭いエコノミーの座席で体の向きを変えながら体重を左足にかけてみたりしましたが、その程度のことでこのはがれたソールが戻るわけもなく、次第に新千歳空港への着陸が近づいてくるにつれ、「この靴で雪の北海道・・・?!」と、不安は募るばかりでした。(つづく)
■10月06日
この日は診療後東京に出かけました。翌日から2日間、オーストラリアのDr. Chris Farrellのセミナーを受講するのが目的です。成長期に口腔周囲の筋肉を正しく使うことによって、顎と歯列を適正な方向へ導く治療法についてのセミナーです。とても興味深い内容でしたので、ちょっと長くなりますが以下にご紹介しましょう。私は患者さんに歯並びの説明をするときに、地下鉄の座席の話をします。福岡市地下鉄の座席は7人がけです。荷物を脇に置いたり、隣の人との間を空けて座っている人がいたりすると7人は座れませんね。お互いに詰めてきっちり座ってちょうどいいくらいの座席幅です。この座席に子供が7人座るときは、隣の人との間には十分なスペースがあり、きっちり詰めて座らなくても、余裕をもって座れると思います。逆に、お相撲さん7人だとどうでしょう。とても横並びに座ることはできず、誰かの膝の上に乗ったり、体を斜めにして重なりあうなどかなりの無理をしないと、座ることはできないでしょう。歯並びの良し悪しはまさにこの理屈で、座席の幅、つまり歯が並ぶ顎の骨の大きさに対して、ちょうどよいサイズの歯が座ればきれいに並びますし、大きい顎の骨に小さい歯が並べばいわゆる「すきっ歯」になります。逆に、顎のサイズに対して歯が大きい、あるいは歯の大きさに対して顎のサイズが小さい場合は、お相撲さんが無理に座るのと同じように、歯は重なりあったり、歯列からはみ出したりして並ぶことになるのです。では、座席にきれいに座るにはどうしたらよいでしょう?方法は以下の3つです。@ 座る人の数を減らすA 座席を大きくするB 小さい人が座るようにする大人と子供の歯並びの矯正治療では、ここに大きな違いがあります。大人の場合は、座る座席を大きくする、つまり顎を大きくすることはできませんので、抜歯をして@座る人の数を減らす、か、エナメル質の部分を少しずつ研磨してそれぞれの歯を細くしてB小さい人が座るようにする、かのどちらかの方法をとることが多いのですが、子どもの場合は今後の成長の過程でA座席を大きくする、つまり顎を大きくすることが可能です。口の周りは筋肉で囲まれています。顎の骨の成長は、この筋肉に大きく影響を受けることがわかってきています。外側からは唇の力で歯を抑え、内側からは舌の力で歯を押します。このバランスのよいところに歯が並んでくるのです。例えば鼻が悪くて口が開いたままの子供は、唇の抑える力がないためいわゆる「出っ歯」になりやすく、また、食べ物をあまり噛まないで飲み込むなどして舌の力の弱い子供は顎が小さく歯が重なって生えやすかったりします。ちなみに、舌の押す力が約500g、唇の抑える力が300gであるのに対し、一般の歯列矯正で用いるワイヤーの矯正力はわずか1.7gです。ワイヤーでも歯が動くのですから、毎日自然と歯に力をかける唇や舌が顎や歯列にどれだけの影響を及ぼすか想像がつくと思います。正しい力が働くと、顎はよい方向に成長し、歯列のアーチは広がります。つまり座席が広くなります。この筋肉のバランスをとるために、口の周りの筋肉を鍛えるトレーニングは筋機能療法と呼ばれ、成長期の顎の正しい発育に大変有効です。しかしながら、毎日の生活のなかでこのトレーニングを欠かさず続けるのはなかなか大変です。また、小さい子はその目的を理解して、教わった通りにやるということが難しいでしょう。今回のセミナーでは、この筋肉のトレーニングを、マウスピースを用いて簡単に行う治療法について学びました。マウスピースを口の中に入れ、唇をきちんと閉じることと、舌先を上あご前方の正しい位置に置くことの二つだけに気をつけて、日中1時間ずつ毎日装着してもらいます。そして就寝時も毎晩装着してもらいます。月に1回歯科医院を受診し、チェックを受けます。たったこれだけのシンプルな方法ですが、その効果についてはファレル先生が多くの素晴らしい症例で示していました。このマウスピースのシステムは、使用する子供の年齢やかみ合わせの状態などに応じて、多くの種類・サイズのマウスピースがラインナップされていますので、成長にあわせて装置を変えていくことができます。お子さんの歯並び・かみ合わせが気になっているものの、様子をみましょう、ということでこれまで積極的に治療されなかった、という方には特におすすめします。幼児期から始められますし、痛い、歯磨きが難しい、といった子供への負担も少ない治療法です。さすがに受講者は矯正歯科、小児歯科専門のドクターがほとんどで、また既にこのシステムを自院に取り入れている方が圧倒的に多かったようです。帰りの空港の搭乗口付近で、歯科医師会の事務局の方々にお会いしました。職場の旅行だそうで、東京スカイツリーなどを見て回ったそうです。そういえば世間は連休でしたね・・・。休みに家に居なかった罪滅ぼしに、多めにお土産を買って帰りました。
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